珍しく、カテゴリ違いの内容ですが。
ずっ〜〜と観たかった「小さな村の小さなダンサー」をやっと観て来ました。
シネスイッチ銀座は金曜日は女性900円なのでお得ですわん!
私はダンス物、特にバレエに関する物は何でも好きなのです。
昔クラシックバレエを習っていたというのもあり、未だにバレエ公演には足を運びます。
(かなりお高いですけど!!)
なので、バレエ公演のDVDも輸入物、日本物限らずかなりの数持ってますし、
バレエやダンスをテーマにした映画作品もかなり収集しております。
そんなわけで、この映画は観に行かないわけには行かなかったわけです。
原作は日本でも出版されている「毛沢東のバレエダンサー」
リー・ツンシンという実在するダンサーの自伝です。
あらすじとしては…
リー・ツンシンは文化大革命の中、全国から選抜され小さな貧農の村から北京へと送られ
バレエの英才教育を受けさせられる。
体操的な開脚よりもグラン・ジュッテの必要性をリーに説く先生が
バリシニコフやヌレエフなどの様な芸術的なバレエダンサーに
育てたいと、芸術家として至極真っ当な価値観を持っている一方、
江青はバレエであれそれは国策の一環であり、革命的なテーマを
持ち得ない作品は認めないという、芸術さえも共産党の宣伝であるという。
その江青も毛沢東の死去により追われ、文革が終わりを告げると同時に
アメリカからヒューストンバレエ団が訪れる。
芸術監督から才能を買われたリーは一人研修生として
ヒューストンバレエ団へ入団することに。
そこで受けたカルチャーギャップと自由への憧れ、バレエダンサーとしての
才能の開花と、全てはリーがアメリカへ残りたいと思う条件が揃ってしまう。
結局、アメリカ人女性との結婚により亡命という結果に。
中国に残された家族は…
共産圏からアメリカに亡命したダンサーは、ヌレエフ、バリシニコフ、マカロワなど
旧ソ連からが多かったですが、中国ではこのリー・ツンシンだけだったのでしょうね。
実際彼はヒューストンバレエ団で25年間踊り、今現在はオーストラリアに移住。
北京でも教えているようです。
映画ではリーの役を3人の男性が年代ごとに演じています。
10代のリーを演じたのは現在オーストラリアバレエ団に所属しているグオ・チャンウ。
20代を演じたのはツァオ・チー。現在、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団のプリンシパル。
私、この人の来日公演を実は観ていたんですねーー
しかし、この映画が公開されてやっと結びついたという……
だって、2008年の来日公演の演目が「美女と野獣」で。
ほとんど野獣の着ぐるみとお面(っていうのか?)を着けた状態だったので
顔わからなかったんですものーー
しかし、滞空時間の長い跳躍は見事でした。
それはこの映画でもいかんなく発揮されてます。
ツァオ・チーは既に32歳。ダンサーとしての寿命はもう長くないです…
あと5年はムリでしょう。
となると、本人もかなりヤル気がありそうなので「役者」への転向は十分有り得そう。
映画で観るよりも素顔の方がかなり精悍でハンサムなので、
アクション俳優とかで十分やっていけそう〜
そういえば、ジョン・ローン(古っ!)も元々はダンサーでしたよね。
ダンサー、特にバレエダンサーは身体能力が半端ではないので、
何でもこなせると思いますわ。
この映画でリーの最初の奥さんになったリズを演じていたのが
アマンダ・シュル。
この方もサンフランシスコバレエ団時代に映画「センターステージ」で
役者としてデビューした人。
「センターステージ」は私の大好きな映画の1本でありまして、
まあこの映画はバレエ好きな方で観ていない人はいないでしょう。
「アバター」のゾーイ・サルダナ以外はほぼ全員ABTやNYCBの現役ダンサーが
演じているという、どこを切っても「バレエ」尽くしな映画。
まあ、内容は…ですが数々登場するバレエシーンはゾーイ以外は全員自分で
踊っているので、トリ肌ものです。
で、今回の映画でも出てきますけど「ドン・キホーテ」のパ・ド・ドゥはね、
やはり派手だし、男女それぞれの見せ場多いしで必ずこの手の映画には登場しますねー。
ホント、これでそのダンサーの実力がわかってしまうぐらいに。
ツァオ・チーも気持ちよいぐらいにグリングリン回っておりました(苦笑)
ブルース・グリーンウッドが演じていたリーの才能を見出した芸術監督の
モデルは、実際のヒューストンバレエ団のベンをモデルにしているのか
わかりませんが、私にはロイヤル・バレエ団のかつての芸術監督の
アンソニー・ダウエルに見えて仕方なかった。
あのチリチリの白髪も、いつもしなっている歩き方と、上品な口調、
ちょっと指立ってる?的なところも含めて。フフフ……
ツァオ・チーが実際にロイヤル・バレエ学校に入学して、バーミンガムに入団した頃に
正にダウエルはロイヤル・バレエで全盛期を迎えていたんですが(クマテツも居たしね)。
なんだか、映画の感想は全然書いてませんけど、
もう1回観てもいいかな〜と思える作品でした。
来年、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団は来日予定(春かな?)。
その来日メンバーにプリンシパルのツァオ・チーは当然含まれていると思いますが、
(辞めていなければ)生であらためて観たいですね〜。